沖縄

とにかく調子は悪い。
この3週間ほどでまともに乗ったのはみきさんとのゲロ練だけ。
それからも10日経っている。
レース前日に10日ぶりに自転車に乗ったわけだ。
風邪はほぼ抜けたが仕事で酷使しすぎて腰が死んだ。
朝、ベットから立ちあがるのが一苦労。
前日のKMCの皆さんと軽く流した時も
皆は軽く流しているのにこっちはキツイ。
かぜさんに付き合ってもらって皆が戻ってからもちょっと走ったが
流しているかぜさんについて行くのもキツイ。
部屋に戻って猛烈に不安になるが、
もうどうしようもないのでどうにでもなれという気分。
晩飯後、ゼッケンをジャージにつけていると
あぁ、今年もついにきたなと思う。
11時就寝。
夜中の蚊で何回か起きる。
これも毎年恒例。


13日 TD沖縄市民120Kmレース当日
5時起床。
まだ真っ暗。
雲が多いせいか例年より暖かい朝。
そそくさと朝飯を食いばたばた支度して荷物を背負って召集場所へ。
自転車と荷物を預け、バス出発にはまだ早いので
地べたに座ってのんびりだべっていたら突然雨が降ってくる。
あわてて皆バスへ。
バスに乗りこんだ直後に寝てしまってハッと起きるともうスタート地点間近だ。
雨は止んでいて路面も乾いている。
毎年やんばるの森をこのバスの窓から見ると緊張してくる。
バスから降りてそのままトイレへ。
すでに今日3回目の軽量化。
昨日の晩飯後に体重計って驚いた。
3週間前より3Kg重い。
一昨日の晩飯前は2Kg重だったのに。
なのでとにかくひりだすのだ。
自転車受け取ったり出走票出したりアップしたりして時間がたつ。
今年の補給食は
カーボショッツ×2inフラスコボトル
そのままのカーボショッツ×1
ゼリー×2
お守り的に大福1個
水ボトル×1
アミノバイタルヲーターチャージボトル×1
上についてから30分くらい経った時にカーボショッツ1個を吸う。
さてそろそろ召集かって頃になにか腹が減ってきて
お守りだった大福を我慢できずに食う。
コース脇に移動してスタートを待つ。
120Km組のスタートは国際の選手が通過したあと。
国際が上がってくるのを待つ。
白バイが上がってきて来るぞ来るぞと盛り上がってくる。
と、突然森の向こうに爆音とともにヘリが現われるわけだ。
スーパーコアな自転車競走大好き人間が300人集結しているわけで
盛り上がらないわけがない。
強烈なスピードで登ってくる選手を大声援で迎える。
コージが笑っていたのでこっちも笑ってしまった。
今年はペースが速いのか集団がちりぢりばらばらで
なかなか全員通過しない。
やっと行ったかとコースに並び
唐突にジュニアがスタート。
いよいよだと思っていたら
市民200が来るぞー道開けろー、というのでパニック状態。
山道に広がった300人が大混乱。
満員電車かよという状況。
だが、こんなときの自転車乗りの結束は素晴らしい。
200Kmのレースの邪魔になってはいかんという気概に場は満ちていて
まわりと協力してなんとか左車線を開けた。
が、こんなことは今までなかったこと。
市民200Kmが先に行くってことは
足きりが猛烈にシビアになるということではないのか。
すぐに市民200が来るのかと思ったら結局10分以上来ない。
待たされているうちにもよおす人が続出し
隣の人と交代で自転車を支えて俺も道端でおしっこ。
と横を見たら内房のNさんも。
非常に失礼であるがおしっこしながら
後ろを通過していく逃げ数名に声援を送る。
集団が行ってからもちぎれ組がワラワラ来るので
スタートするにできず、
係員が並んでースタートするぞーと言っても
後ろからはまだ選手が上がってくる。
来るぞヤバイゾ道開けろーとまたパニック状態になり
これじゃ80Kmも来ちゃうぞどうすんだよというところで
いきなり唐突に前からパーンという音。
まぁ、毎回唐突なんだがここまで唐突で無茶苦茶なスタートは
なかなかないだろう。
大混乱だがスタートしてしまったからにはもう後戻り出来ず
いくしかないわけで、幸いまわりでは落車もおきず
だいたい真ん中あたりから前を追って走り出した。
なんだかよくわからんがとにかくはじまったわけだ。


ちょっと登って下り。
人数が多いので慎重に。
下りきった所から隙を見つつ時間をかけて
先頭が見えるところまであがる。
サイコンをスタートさせるの忘れてたことに気づく。
人が多いので不安定で恐ろしいかと思っていたが
前めにあがると安定していて全然OK。
前をなるしま社長が走っていて
隣の方が今年のペースは速いですか?と聞いたら、
うーんわからん、わからんけど走るだけだよ、と答えていて
かっこいいなと思いつつ小さなアップダウンをこなしながらいく。
奥手前の登りに近づいた頃雨が降り始めた。
あぁー、一昨年の再現かよ。
でもこの時はまだあれほど降られるとは思わず楽観視していた。
奥手前の登りを目の前にしたところで
前に登り始めた200Kmの後続集団が見えた。
ここは礼儀としてすぱっと抜かなければいかんということで
声がとぶ。
もうちょっと行ったら右によるぞー。
よーしゆっくり右によれー。
先頭がんばれー、ペースあげろー。
ぬいたぞーゆっくり左に戻るぞー。
100人をゆうに超える大集団の一糸乱れぬ動きが素晴らしい。
しかしペースが上がってきついったらない。
登りきる頃にはだいぶ後ろにさがってしまった。
まずい、全然登れん。
下りでかけて前にあがりなおす。
奥の登りがはじまるところでは10番手くらいまであがっておく。
が、登り始めてばかすか抜かれていく。
抜かれなくなった頃も前には延々と人がいて
これなら集団のケツでクリアできるかと思っていたら
長い直線のかなり前で中切れしているのが見えた。
あちゃー。
情けないが奥切れだ。
まあ、この調子じゃしょうがないわな。
しかしここであきらめるわけにはいかんので登りきる。
雨が強くなってきた、大粒の本降りだ。
その中を下る。
雨が目に入ってコンタクトがずれて殆ど前が見えない。
アドレナリン大量出しでそんな中を60kmオーバーで下る。
下りきり海岸線の平地に出るが下りでばらけてしまい
単独になってしまった。
50mほど先に一人見えるが追いつくのかったるいなー
ここで踏んでもしょうがないのでたんたんと。
トンネルも1人だったので怖くなくて助かった。
しばらくして振り向くとかなりの人数の集団が来たので待って乗る。
助かった。
助かったが前とラインを合わせると跳ね上げで
コンタクトがずれて前がまったく見えなくなるので
すこしずらして走る。
それでも見えなくてコンタクトが流れ落ちそうになって
集中力が切れそうで走りづらくてかなわん。
サイクルキャップをかぶってこなかったのを心底後悔した。
もういいかげんいやになってきたところで
普久川への登りに入る。
80Km切れ組を大量に抜きながらたんたんと登る。
気がつくとペースが同じ位なのはやはりゼッケンが近い人。
抜きつ抜かれつを繰り返しつつ登る。
山岳ポイントを超えて一旦下るが無茶苦茶寒い。
また登って補給所でアクエリアスをもらう。
ここに橋本さんがいたとは。